税理士試験合格組と税理士試験免除組

ライター 水山由香子

2020/05/19

税理士になるためには大きく分けて2つのルートがあることが知られています。税理士試験の通算5科目を合格して税理士になるルートと、通算5科目のうちの一部の科目の免除を受けて税理士になるルートです。一昔前までは基本だった前者のルートですが、最近では、後者のルートで税理士になる方のほうが増えているといわれています。今回はそんな、税理士試験の現状と変化についてご紹介していきたいと思います。

税理士試験の現状と変化 税理士試験免除組が増加傾向!?

■税理士になるためのルートって?

税理士試験の通算5科目を合格して税理士になるルートでは、税理士試験の11科目中5科目の試験を合格し、2年間の実務経験が必要になります。5科目の内訳は、会計科目である「財務諸表論」「簿記論」の2科目が必須。税法科目である「所得税法」「法人税法」「相続税法」「消費税法」などから3科目の試験合格が必要です。

税法科目は消費税法と酒税法など、どちらか1科目しか選べないなどの制限があるものの、どの科目を選ぶかは基本的に自由。自分が将来活躍したい分野に合わせて自由に選ぶことができ、通算5科目の試験合格と2年間の実務経験で税理士になることができます。

もうひとつのルートは、要件を満たすことにより試験科目の一部を受けたり、試験自体の免除を受けたりするルートです。弁護士の場合は、税理士試験を受けなくても登録によって税理士を名乗ることが可能ですし、税理士試験の科目免除制度を利用すると、大学院(修士課程あるいは博士前期課程)を修了することで、税法3科目のうち2科目を免除申請することができます。

■試験合格組と一部科目免除組 最近では人数割合が逆転中!?

このように税理士は、試験合格組と一部科目免除組・試験免除組に大別されるわけですが、この人数の内訳に思わぬ逆転現象が起きています。

2018年4月1日~2019年3月31日時点での税理士新規登録者のうち試験合格組は756人。一部科目免除組の人数は1,379人。一昔前までは基本だった試験合格組ですが、最近では、一部科目免除組のほうが増えているのです。

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免除ルートで税理士になる人が増えた理由って?

では、なぜ、一部科目免除組のほうが増えているのでしょうか? その理由として、以下のような科目免除制度のメリットが指摘されています。

・税理士試験は難易度の高い試験であり、通算5科目合格までの道のりは長いため、大学院に進み科目免除を受ける方が時間と労力の面で効率的である。
・社会人向けに夜間科目が開講されている免除申請可能な大学院に通い、働きながらでも税理士試験合格を目指すことができる。
・特に税理士事務所などで働きながら大学院に通学すると、税理士登録をするために必要な2年以上の実務経験も積むことができるので、最短ルートで税理士になることができる。
・免除申請可能な通信制の大学院もあるため、忙しい社会人でも仕事と税理士試験の両立を図ることができる。
・大学院で税法やその判例などを体系的に学び法令解釈力を高めることによって、税理士になってからの実務(クライアントからの相談などのケースなど)に活かすことができる。

■税理士試験への挑み方も人それぞれ
いち早く税理士の実務に入るために試験免除を狙うか、たとえ難関とされていても時間と労力をかけ税に関する十分な知識を得て税理士になるために通算5科目の試験合格を狙うか。今後のキャリアプランによって、税理士試験への挑み方も人それぞれになっていくようです。

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