第1回 先生にも心があります。

スタッフの皆さんから見ると、士業事務所の代表の先生(いわゆる所長先生ですね)は、とても強そうに見えるかもしれません。ハードな交渉や高度な専門知識で高額のフィーを稼いでくる先生も多いと思います。しかし、先生も人間ですので、全てが完璧なわけではないですし、強そうに見えているかもしれませんが、普通の人間ですのでスタッフの些細な一言で傷ついていたりします。

皆さんには、「あの先生が傷つくの?」と、信じられないかもしれません。でも、事務所では弱い姿を人に見せられなかったり、見せてはいけないと思っている先生は多いものです。例えば、現在は新型コロナウイルスで様々な会社が経営的に大変な状況になっています。新型コロナウイルスで事務所にどう影響があるかは、その事務所の売上の内容によりますが、事務所の代表が慌てていて、事務所が危ないということを気軽に言ってしまっては、無用な不安が事務所に広がってしまいます。必要な情報は伝えないといけませんが、不安な思いなどは1人で飲み込んでいるものなのです。

そういうことは様々あって、事務所のことを家族に相談できることも少ないので、家族にも言えず、スタッフにも言えず、1人思い悩んでいる先生も多いんです。事務所の代表が集まるような場所では、普段溜まっている思いが溢れてしまう場面をよく見ます。

また、皆さんと仲良くしたいのにそれができていないことや、育てたいこと、仕事の技を教えたいこと、事務所の理念、仕事への想いなど、「自分の想いが伝わらない寂しさ」について、よく耳にします。本当は先生からももっとアプローチしたらいいのでしょうけれど、そうできないことも多いので、是非皆さんからいろいろ聞いてみてください、きっと先生も喜びます。

皆さんには、心があり、感情があり、気持ちには波があります。ですので、先生に対して強く言ってしまうこともありますよね。人間ですから、仕方ないですよね。一方、先生にも心があり、感情があり、気持ちには波があります。でも、強く言うことが物事の解決にならいので感情を飲みこんで話をすることが多いです。強く言う先生もまだまだいるでしょうけれど、最近はパワーハラスメントということがクローズアップされていますので、気にしている先生も多いんですよ。

ですから、伝え方は工夫して欲しいのです。

「とにかく気に入らない!」というのはお仕事なのでよくないですけれど、建設的な意見を柔らかく伝えることは、事務所の発展にとってもプラスになります。「この件は、Aという方法ですとZという問題があるので、Bという方法を試してみていいですか」等、理由をつけて話をすれば、受け入れてもらえると思います。

また、先生につらい言い方をされたときには「その言葉は、私の気持ちがつらくなってしまうので、ほかの言い方をしてもらえると助かります」等、アサーティブ(相手の気持ちを尊重しながら、自分の気持ちを伝える)な言い方をして、お互いが傷つかずにやりとりできるといいですね。

*本連載は、毎月第1火曜日に更新を予定しております。

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