前略、スタッフの皆さんへ
~「先生」の心の声~ <第3回>

社会保険労務士法人日本人事
代表・特定社会保険労務士 
山本 喜一

2020/07/07

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第1回 先生にも心があります。(2020/5/5)
第2回 先生にも知らないことがあります。(2020/6/2)
第3回 先生は皆さんにお給料をたくさん払いたいです。(本記事)
第4回 先生の報酬は全部が自分のものではないです。(2020/8/4)

第3回 先生は皆さんにお給料をたくさん払いたいです。

今回は皆さんのお給料についてお話をしたいと思います。事務所の方針や所長先生の考え方によっていろいろですが、一般的によく聞く話ということでお話しますね。「うちの事務所と違う!」ということもあるかと思いますけれど、その場合は、「世の中、そういうことがあるんだ」、「そういう事務所もあるんだ」という気持ちで読んでいただけると幸いです。

結論からお話しますと、多くの先生は、スタッフの皆さんに対して、たくさんのお給料を払いたいと思っています。しかし、何も考えずにたくさんのお給料を払うと事務所が赤字になり、更には倒産ということになってしまいます。皆さんが様々な業務を覚え、付加価値の高い仕事をして売上を伸ばすことができれば、安心してたくさんのお給料を払うことができます。そうすれば、皆さんも嬉しいですし、先生も嬉しいです。

税理士事務所の売上は、月次の報酬(相談、記帳代行、給与計算)、年末調整、決算、相続などの業務があれば、その報酬ということが多いと思います。一般的な事務所ではお客様から毎月頂く顧問報酬をベースに売上がつくられています。当然のことながら、売上より多い金額を皆さんのお給料として払うことはできません。また、事務所を継続的に運営するためには、皆さんのお給料だけではなく、事務所の家賃、システム使用料、光熱費、各種会費、研修費等、様々なものにお金が必要です。また、よく昔から「給料の3倍働け」という言葉がありますが、これは、会社(事務所)が適正な利益を出すためには、自分のお給料分だけの売上を増やしても足りないよ、ということです。

顧問報酬が5万円のお客様10社を1人で担当できれば、毎月1人で、50万円の売上をつくれるということですが、実際には、そのお客様の顧問になるために使っている営業費、事務所家賃の一部、システム利用料、請求書・経理担当、管理部門の人件費等、自分のお給料以外にも様々な費用が掛かっていることも認識しておく必要があります。

そうすると、例えば1日8時間働くとした場合、その8時間で担当できるお客様の数にはどうしても限界があります。そうすると、同じ時間で多くの売上をつくるためには、より付加価値の高い仕事をする必要があります。付加価値は売上とイコールではないこともあります。例えば、紙の数字をシステムに入力する記帳代行であっても、「もらっているこの数字、不自然かも」と気づくことができれば、より一層お客様に役立つことができるかもしれませんし、クレームも防ぐことができるかもしれません。また、簿記の資格を取得したり、税理士資格にチャレンジすることもよいですね。一人ひとりが実力をつけ、事務所全体が強くなることで、事務所全体としてクオリティが上がり、新しいことにもチャレンジでき、売上の向上も期待できます。ただ、いろいろできるようになっていたとしても、先生は忙しいので、なかなか皆さんの日々のお仕事を見ることがないかもしれません。そんなときは、「私、これができるようになりました」と“それとなく”、“上手に”アピールをすることも大切です。皆さんのお給料が上がることを心から願っています。

*本連載は、毎月第1火曜日に更新を予定しております。

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